日々記憶伍番地

ただの日記です。誤字脱字多いです。スンマヘン。

月曜日の友達 阿部共実 を読んだ。

私はマンガが最高の表現形式だと、うすうす思っている。漫画家が将来の夢だった。でも漫画家にはならなかった。なれなかったではなくならなかった、が正しい。チャレンジする前に諦めた。

 

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阿部共実を知ったのは、宝島社のこのマンガがすごい!で大賞?になっていたちいちゃんはちょっと足りないだ。この年は女性部門がちいちゃんはちょっと足りないで、男性が聲の形だった。両方面白かった。聲の形は王道で面白く、ちいちゃんはちょっと足りないは、癖のある変化球的な面白さがあった。刺さる人には、体の芯まで刺さるタイプのマンガ。私は刺さる人だった。

 

ちいちゃんはちょっと足りないを読んだときアベトモの作風を知らなかったので、本当にしてやられた感じだった。ちいちゃんの批評やともちゃんの他の作品のレビューを読み漁り、今どきで言う「鬱エンド」を得意とする作家さんらしいと知った。真っ直ぐが速いタイプではなく、変化球タイプだったのだ。

 

しかし、当時はなんとなくマンガには満足していて、トモミーの他の作品は買わなかった。ちいちゃんも実はゲオでレンタルした。そして月日は経った。

 

はてなブログを読み漁るなかで「月曜日の友達」を激しく推しているブログを読んだ。絵を見たら瞬時にわかるアベちゃんのマンガだった。その時は1巻しか出てなかったが、なんとなく、買ってみた。

 

1巻を読んだ感じは、そこまでピンと来ていなかった。字が多いな。くらいに思っていた。しかし、鬱エンドの布石はなんとなく感じた。2巻をアマゾンで予約購入した。2巻完結だとブログで書いてあったので躊躇はなかった。

 

2巻が届いたとき、私は字ばかりの本を読みきれない程買い込んでいた。それも、自己啓発、ビジネス書、実用書、書くのが恥ずかしいがプログラミングの本。2巻は届いてすぐ読んだ。予想に反して、不安な影を残しながら、それでもハッピーエンドといえる終わり方だった。なんとなく、面白かったな。くらいの感想だった。

 

 

前の水曜日、仕事への焦りからくる勉強に、より良い生活を送るためのインプットに疲れていた私は、もう割り切って今日は読みたいマンガをじっくり読もう、と思い夜を迎えた。読みたいマンガで手にとったのは「月曜の友達」だった。結果、号泣した。なんだ、この美しい話はと思った。王道でありながら不安のスパイスが効いた、絶妙な配分。

 

前読んだ時は余裕がなかったんだ。登場人物の名前に曜日が含まれていることにさえ気がつかなかった。全体的に文字が多い構成も、話がわかると文字で見せようとしたべーやんの意気込みが感じ取れる。

 

最近、仕事や生活で余裕がなかった私を元気づけてくれた。そして、マンガについて思いを馳せるきっかけを与えてくれた。太田光が人間は反射で物を作っていると書いていて、真理だと思った。その反射をくれたのが月曜の友達を産んだ阿部共実だった。

 

読みたいマンガがそろそろゲオでレンタルされているだろうから、借りに行きたい。ちいちゃんはちょっと足りないはアマゾンで新品で買おう。それがせめてもの私から阿部共実さんへのお礼。

 

静かに
静かに。